スナックと一言で言っても、実は「隣に座るスナック」と「カウンター越しのスナック」の2種類があるのをご存知ですか? この違いは、お店が取得している営業許可によって大きく異なり、仕事内容や働き方にも影響します。
この記事では、あなたがスナックで働くことを検討する際に役立つよう、「隣に座るスナック」と「カウンター越しのスナック」の具体的な違い、それぞれの仕事内容、営業時間、指名制度、収入、服装について詳しく解説します。
スナックで「隣に座る店」「座らない店」の違いは「許可」にあり!
スナックの種類は、お店が取得している営業許可によって明確に分けられます。この許可の違いが、接客方法を大きく左右します。

隣に座らないスナック:飲食店の許可で営業
- 主に「飲食店」または「深夜飲食」の許可で営業しています。一般的なスナックやガールズバーの多くはこのタイプです。
- これらの許可では、お客様の隣に座って接客する「接待行為」が法律で禁止されています。
- そのため、お客様とはカウンター越しで対面して接客します。ボックス席がある場合でも、丸椅子などを置いて向かい合う形で座り、隣には座りません。
隣に座るスナック:風営法の許可で営業
- 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の許可を得て営業しています。
- この許可があるお店では、「接待行為」が認められているため、お客様の隣に座って接客することが可能です。キャバクラやクラブ、ラウンジなども、この風営法に基づいて営業しています。
- 地方では「スナック」と称しながらも、実質的にはコンパクトなキャバクラのようなスタイルのお店が多く見られます。
なぜ同じスナックでも許可が違うの?
お店の経営方針ももちろんありますが、大きな理由の一つに「風営法出店禁止区域」の存在があります。
- 学校、図書館、病院、児童福祉施設などが近くにある地域では、風営法の許可を得ることができません。
- そのため、風営法の許可が取れないエリアでは、「飲食店+深夜飲食」の許可で営業するスナックが多くなります。
- かつて西麻布の会員制ラウンジが「ガールズバー」と呼ばれていた時期があったのも、このエリアの一部で風営法の許可が取れなかったため、「飲食店+深夜飲食」の許可で営業していたお店が多かったことに起因します。その後、摘発をきっかけに風営法の許可を取得し、「会員制ラウンジ」として正式に営業するお店が増えました。
「飲食店+深夜飲食」の許可であれば場所を選ばずに営業できるため、風営法の許可が必要なキャバクラに比べて、スナックの店舗数が多いのは納得できますね。

許可の違いがもたらす影響
許可の違いは、接客方法だけでなく、営業時間や給与体系、働き方にも影響します。
営業時間:深夜営業の可否が収入に直結
- 隣に座らないスナック(深夜飲食の許可):原則として午前6時までの営業が可能です。中には、24時までの営業で「飲食店」の許可のみで運営している店舗もあります。
- 隣に座るスナック(風営法の許可):原則として1時までの営業がほとんどです。
指名制と連絡先交換:収入と営業の有無
- 隣に座らないスナック:基本的に指名制ではありません。来店したお客様全員を楽しませることに注力し、ママのお手伝いという側面が強い仕事内容です。お客様との連絡先交換や営業活動は不要な場合がほとんどです。時給は固定されていることが多いですが、ドリンクバックやボトルバックで収入を増やすことができます。
- 隣に座るスナック:指名制を採用しているお店が多いです。指名本数や売上によって時給が変動し、やりがいがある一方で、毎月一定の成績を維持する必要があるため、お客様への営業活動が求められます。本指名、場内指名、同伴などのバックが設定されており、稼ぎの幅は広くなります。
アフターや同伴:インセンティブの有無
スナックで同伴やアフターを行うこと自体は禁止されていませんが、それが自身の収入に繋がるかどうかが大きな違いとなります。
- 指名制でないスナック:同伴やアフターを行っても、直接的なインセンティブ(バック)には繋がりません。
- 指名制のスナック:同伴は売上としてカウントされ、自身のインセンティブに繋がります。アフターもお客様との関係性を深める上で重要な営業活動となります。
お客様との関係性も考慮しつつ、自身の働き方に合わせて検討すると良いでしょう。
スナックの時給と働き方
スナックの時給は地域によって差がありますが、働きやすさも特徴の一つです。
時給の平均相場
- 東京などの大都市圏では2,000円~が相場です。
- それ以外の都市では1,500円~2,000円程度が一般的です。
これらは採用時の時給相場であり、固定時給制のスナックであれば時給の変動はありません。指名制のスナックでは、成績によって時給が上がったり下がったりしますが、採用時給を最低時給としているお店も多く、大きく下がることは稀です(せいぜい100円~200円程度)。
週何日から働ける?柔軟なシフト
ほとんどのスナックが週1日から勤務可能なため、学校や昼職との掛け持ちもしやすいのが特徴です。
- 終電上がりOKの店や、もともと1時閉店の店も多く、翌日に響きにくい働き方ができます。
- ただし、「終電上がり不可だが送迎がないスナック」もあるため、自宅からの距離や交通手段を事前に確認しておくことが大切です。
スナックでの服装は?
スナックの服装規定は、お店のコンセプトによって様々です。
- ドレス・ワンピース:キャバクラやラウンジで着用するような華やかなドレスやワンピースを指定するお店もあります。レンタルを用意しているお店も多いので、体験入店のためにわざわざ購入する必要はありません。
- 私服のキレイ目ワンピース:最も一般的なのが、普段使いもできるようなキレイ目のワンピースです。持っていない場合は用意が必要になるでしょう。
- 私服(カジュアルすぎないもの):スカートやワンピースが基本ですが、中にはカジュアルすぎなければパンツスタイルもOKとしているお店もあります。
お店の雰囲気に合った服装選びは、働く上で重要な要素です。事前に確認し、自分に合ったスタイルのお店を選ぶようにしましょう。
スナックでの働き方は、許可の種類によって大きく異なります。この記事で解説した情報を参考に、ご自身の希望に合ったスナックを見つけて、楽しい夜の時間を過ごしてくださいね。
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